ひざ痛防止法と土踏まずの関係
年齢とともに痛んできやすい関節の一つ膝関節。
特に何をしたわけでもないのに膝が痛み出し、病院に行っても「年だから仕方ない」とか「軟骨が擦り減ってるね」と言われるもののほとんどは、変形性膝関節症と思われます。
かなりの人が患っている変形性膝関節症ですが、実は治療で盲点になりやすい部分があるのです。それが「土踏まず」。
膝の痛みと足の裏にはどのような関係があるのでしょうか?
今回は、土踏まずから変形性膝関節症を見てみたいと思います。
変形性膝関節症とは
変形性膝関節症は、軟骨が擦り減って関節炎や、膝関節を形成する組織の変形を起こす疾患です。主に膝の内側が、立ち上がりや歩きはじめに痛くなり、腫れることもあります。人によっては膝の裏側が痛くなることもあります。
男女比では圧倒的に女性に多く見られます。女性の方が男性に比べて、筋肉の量が少なく、関節が浅いため、膝関節に体重の負荷がかかりやすいからと言われます。また内股歩きやアヒル座りなど、日本独特の「女性らしい」とされる姿勢・習慣が、膝関節の並びを悪くする遠因になっています。
治療では、運動に痛みを引き起こす炎症物質を減少させる効果があるため、装具で幹部を保温・保護し、薬で痛みを和らげながら、膝に負担のかからない運動するように指示されることが多いです。膝の安定に必要な筋肉を付けたり、体重をコントロールして、膝にかかる負担を減らすことも運動の目的の一つです。
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『病気の地図帳』より❜
これらの対処をしても痛みが緩和せず、生活に支障がある場合や、関節軟骨が消失して土台の軟骨下骨がむき出しになった場合などには、人工関節置換術が取られます。
一般に人工関節置換術をすれば、悪いところがなくなりスッキリするようにイメージされがちですが、膝関節の問題を解決しても、膝を患っている間に固くなってしまった筋肉や腱の柔軟性は回復はされないので、手術後でも膝の曲げ伸ばしで痛みが生じることもあります。それなので人工関節置換術をしても、足の筋肉のバランスを整えたり、柔軟性を取り戻すストレッチなどのリハビリが必要になります。
また、人工関節は耐用年数が20年前後なので、早すぎる手術はかなりの高齢での再置換術が必要になります。それなので人工関節置換術には、人生の充実や経済的損失など生活の質を考慮して、実施のタイミングを計画的に決める必要があります。
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膝の歪みと土踏まず~ニーイン・トゥーアウト~
このように変形性膝関節症の対応としては、歪んでしまった膝関節を筋肉の強さや柔軟性を取り戻すことでバランスを良くしたり、削れた膝関節を手術で治療する方法が取られることが主流です。
しかしもう一点、注目しなければならない場所があります。それは土踏まずです。
土踏まずは3点で結ばれるアーチ構造をしています。
横アーチは前後の揺れを、内側縦アーチは左右の揺れを、外側縦アーチは身体の捻じれをそれぞれ吸収しする免振作用があります。土踏まずの3つのアーチが正常に機能することで、重心がブレない安定した歩行を可能になるのです。
ところが、土踏まずは加齢やサイズの合っていない靴やヒールの高い靴の多用などで変形して、潰れやすくなってしまいます。そうなると足に構造的な歪みが生じます。土踏まずが潰れ、足首が歪みを起こし、足首の歪みが脛の骨(脛骨)の捻じれにつながり、それが今度は膝関節の歪みのへと伝わっていきます。こうなると3点のアーチの免振作用も機能しなくなり、膝関節に揺れの負担が直接かかり、膝関節が変形していく原因となるのです。
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『正しく歩けば不調が消える! 1日300歩ウォーキング』より❜
この状態で歩こうとすると、一歩踏み込むたびに膝が内側に入ります。ニーインという状態です。この負担が5,000歩を歩けば片足に2,500回、10,000歩を歩けば片足に5,000回分の負担が膝にかかることになります。そしてニーインを引き起こしているのは、土踏まずのアーチの崩れによって起こる足首が倒れる現象です。これをトゥーアウトと言います。ですから、膝の負担を和らげるには、土踏まずのアーチの状態も見ていかなければいけません。
変形性膝関節症で長年悩んでいる方や、手術をご検討の人は、足の形に注目してみて下さい。外反母趾や浮き指・偏平足にはなっていませんか?これらは土踏まずのアーチの崩れに起因する変形です。階段の昇り降りに神経を使ったり、冷やさないように毎日欠かさずサポーターを付けたりして、一生懸命に膝をいたわってきたのに一向に治らない膝の痛みの原因は、土踏まずのアーチの崩れだったのです。
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ニーイン・トゥーアウトを防ぐオーダーメイド矯正インソール
当院ではこのようなお悩みの場合、土踏まずのアーチを本来の形に補強するオーダーメイド矯正インソールをご提案しております。インソールで土踏まずのアーチの理想の形を取り戻し、足の裏から膝関節へ生じている構造的な歪みを整え、免振作用も取り戻すというアプローチです。
通常のオーダーメイドインソールの型採りは立ったまま行われることが多いのですが、立ったままだと土踏まずに体重がかかり、本来の形が崩れて型採りされてしまいます。それなので、当院では体重がかからないようにうつ伏せで型採りするのが特徴です。石膏を使った丁寧な手作業で、土踏まずの3点アーチの整合性や足首・膝・股関節の並びを調整しながら行います。このようにしてできあがった石膏モデルを基にして、世界に一つしかないあなただけのインソールが作られます。
素材は「こんなの靴に入れたら痛いんじゃないの?」とよく言われるくらい固いものです。しかし、本来あるべき土踏まずのアーチが再現されるので、痛みは基本的に生じません。むしろ「気持ちいい」という感想を聞かれます。体重に潰される土踏まずを下から押し上げてあげる必要があるので、適度な強度が必要なのです。
土踏まずの沈みを支えるインソールのアーチサポートという機能は、インソール素材が固いほど効果を発揮しますが、土踏まずの形とインソールが合っていない場合、固いと痛みが生じるリスクがあります。当院で制作しているインソールは、オーダーメイドで型を採ることで、アーチサポートとして十分な強度を保ちつつ、履いていて痛くなるというリスクも解決できる画期的なインソールです。
まとめ~ひざ痛防止法と土踏まずの関係~
変形性膝関節症は放っておいても、すぐには寝たきりになったりしない疾患です。しかし、重度になると手術が必要になることがあります。基本的には膝関節の安定を保ち、薬などで痛みを抑えながら運動をして、太ももの筋肉のバランスを整えたり、柔軟性を取り戻す治療が行われます。
しかし、これだけでは十分ではありません。土踏まずのアーチの変形から生じている膝関節の捻じれや、失われた免振作用の回復をすると、変形性膝関節症の予防・再発・悪化防止に効果的です。それなので当院では、通常の膝関節周りの筋肉の調整の他に、土踏まずのアーチを理想の状態に補強するオーダーメイド矯正インソールを取り扱っております。
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参考文献~ひざ痛防止法と土踏まずの関係~
・『正しく歩けば不調が消える! 1日300歩ウォーキング』新保泰秀(日本文芸社)
・『病気の地図帳』監修・山口和克(講談社)