寝起きの腰痛を改善する4つのポイント

2018年6月4日
慢性腰痛で来院されるクライアントさんに、腰痛の一番辛い時間帯を聞くと「朝起きると腰が痛い」という答えが目立ちます。顔を洗う時など不意に屈んで「ぎっくり腰」という事例も多々あります。睡眠をとってからだを休ませていたのに、寝起きで腰が痛くなるのはなぜでしょうか?
今回は朝起きると腰が痛い人にチェックして欲しい4つのポイントをご紹介しました。これを直せば、快適な朝を迎えられます(^^)
【チェック①】足腰の血液循環が悪い
からだのリズムを整える自律神経の働きにより、朝の私たちのからだは夕方より血液循環が良くありません。そのため、日中に長時間同じ姿勢でいるデスクワークなどで、足腰の筋肉が固まってしまい循環が悪い状態になっていると、朝には更に血行が悪い状態になり痛みが出てしまいます。
朝起きると腰が痛い人の特徴は、昼になる頃には朝より血流が良くなってくるので、いつの間にか痛みを感じなくなってしまっているところです。
このタイプの人は、ウォーキングなど軽い運動をして、足腰の筋肉の循環を良くしたり、寝る前にお風呂に入って筋肉をあっため、入浴後に足腰の筋肉のストレッチをする習慣をつけましょう。固まっている足腰の筋肉の柔軟性を取り戻すと、寝起きに腰を気にせず楽に起き上がれるようになります。
また、骨盤が歪んでいると足腰の血行が悪くなります。下記のようなクセがある人は、普段から気をつけるようにしましょう。
・足を組む
・片足に体重をかける
・横座り・あぐら・アヒル座り
・ヒールの高い靴
・かばんを同じ肩にかける
【チェック②】反り腰(そり腰)
背骨は元々S字型に弯曲していますが、ヒールを履くことが多い女性や妊婦さん、肥満体型の人は、腰のカーブが通常よりも深くなります。この状態を反り腰(ソリゴシ)といいます。
❛
『腰痛の病態とその理学療法アプローチ』より❜
反り腰の人は仰向けで寝ると、腰の下に隙間ができるので、腰が安定しなくなります。そのため、周りの筋肉が必要以上に力んで寝ている間に凝ってしまい、寝起き腰痛の原因になります。
また、反りのきつい人は仰向けで寝た時点で腰に違和感を感じて、横に向いてしまうこともあります。
仰向けで寝るのが苦手という人は、仰向けで膝を立ててみて下さい。この状態で腰の違和感がなくなれば、反り腰の可能性が高いです。膝を立てると、腰骨の反りが浅くなって、腰の下の隙間が狭くなって安定するからです。
ですから、仰向けで寝るのが苦手という人は、膝が自然と立つように膝の下に、クッションを挟んでみると楽に寝られます。
また膝を立てるのが気持ち悪いという人は、腰の下の隙間を埋めるように、タオルを腰の下に敷いてみて下さい。あまり高いと反りをきつくして逆効果ですから、最初は低すぎるくらいの高さからタオルを折ったり重ねたりして調節し、心地よい高さを探してみて下さい。
反り腰の人寝る前に画像のように太ももの付け根をストレッチする習慣を付けましょう。
また反り腰予防のためには、立っている時や歩ている時に、腹筋を使うことを習慣にしましょう。「姿勢を正す」というと腰を反らしていませんか?実は、おへそを引っ込めるように腹筋に力を入れるのが正解です。腹式呼吸で大きく息を5秒間吸って下さい。その後に5秒吐きながらおへそを引っ込めます。そうすると背すじが伸びる感じがしませんか?この呼吸トレーニングを5回1セットとして、朝昼晩行って下さい。慣れてくると、腹筋の使い方が分かってくるので、歩いている時も、立っている時も、気がついたらおへそを引っ込めるようにすると、腹筋がついて反り腰になりにくくなります。
【チェック③】寝かた・寝ぞう・寝具(ベッド・枕)の問題
クライアントさんから、「どんな寝方が一番いいですか?」とよく聞かれますが、「『基本』はあお向けです」とお答えしています。あお向けだと布団と身体の接地面積が広くなるので、身体の1カ所に体重が集中する負担が少なくなるからです。それに対して、うつ伏せの場合には顔や横にねじる首にゆがみが起こりやすくなり、寝違えが起こりやすくなります。また横向きの場合は、腰がねじれるので腰のゆがみが生じたり、下側になる肩に体重の負担がかかり、四十肩・五十肩になりやすくなる危険があります。
しかし、実は長時間あお向けでいても、内臓の重さが腰の筋肉や骨にかかり、腰痛の原因になるという欠点があります。これを避けるために私たちは寝ている間に寝返りをして調節しています。
それなので、マットレスなどは寝返りのしやすい強度と広さが必要になります。柔らかすぎるベッドはお尻が沈み、寝返りの妨げになります。またお尻が沈んだ力が腰に負担をかけるので、これも腰痛の原因になります。
寝具選びの際には、実際に寝させてもらい、からだへのフィット感や寝返りのしやすさを確認してから購入すると良いでしょう。
それなので、チェック②で反り腰だった人も、寝返りでタオルがズレてしまうのは仕方ありません。少しでも腰の筋肉がリラックスできる環境を作ることが、寝起き腰痛の防止のポイントです。
【チェック④】食生活
夜遅くに食事をとり、そのまますぐに寝てしまうと内臓に負担がかかります。からだには「内臓神経反射」という反射作用があり、内臓に負担がかかると、対応する神経領域の背骨にゆがみが起こり、腰痛の原因になります。寝る2時間前には食事を済ませておきましょう。
またお酒の飲み方にも注意が必要です。お酒に酔って眠りにつくと、眠りが浅くなり疲労回復が中途半端になり、腰痛の原因になります。
更に多量の飲酒は、膵臓、肝臓、腎臓、胃などの内臓疾患からの腰痛の原因になります。特に膵臓で起こる急性膵炎では激痛が、慢性膵炎では鈍痛が起こりやすいので注意しましょう。
飲酒量の多い人は、できるだけ適正量に抑えるようにし、休肝日を設けることも重要です。一日の飲酒量としては、ビール500ml、日本酒1合(180ml)、ウイスキー・ブランデー60ml(ダブル)、焼酎72ml、ワイン200mlと言われています。

まとめ~朝起きると腰が痛い人必見4つのポイント~
いかがでしたでしょうか?以上が、朝起きると腰が痛い人必見の4つのポイントでした。
寝起き腰痛が起こる人は、寝ている間に腰の筋肉が固まってしまう人です。運動不足や日頃の姿勢を見直して、ウォーキングや腸腰筋のストレッチで解消してしまう人もいます。また、寝る時の環境や食生活を振り返ってみる必要があるかもしれません。「寝やすい」と思っている寝具や姿勢が、腰痛の原因かもしれません。
これらの習慣を見直して、寝起きスッキリ気持ちのいい朝を迎えましょう!(^^)!
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補足~朝起きると腰が痛い人必見4つのポイント~
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参考文献~朝起きると腰が痛い人必見4つのポイント~
・『クリニカルマッサージ』著・James H.Clay・David M Pounds 監訳・大谷素明(医道の日本社)
・『腰痛の病態とその理学療法アプローチ』編集・嶋田智明・大峯三郎(文光社)
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