【腰痛予防】通勤・通学時にできる正しい歩き方

2018/07/18 17:34

通勤・通学の駅までの歩き道、ふと「運動不足だなぁ」と思って、地面を力強く蹴って大股で歩き、足を速めたことはありませんか?実はその歩き方では、足が無駄に力むばかりで疲労が溜まり、ひざ痛・腰痛の原因になります。筋肉を力ませると身体を酷使している感じがあって効果的な気がしますが、正しく動かせていないとかえって身体の負担になってしまうのです。

 

正しい歩き方のフォームを身に付けると、楽に身体を動かせるようになり、ひざ痛・腰痛の予防になるだけでなく、余計なところに筋肉がつかなくなるので細くて長い美脚にもつながります。このような正しい歩き方を実践するには、足を真っ直ぐに使うのに必要な筋肉を効率良く動かすことが重要です。ちょっと難しそうですが、実はそのための意識すべきポイントを抑えれば意外と簡単です。

 

今回は腰痛・ひざ痛を予防し美脚にもなる正しい歩き方を、股関節に注目してついて解説します。

 

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腰痛の原因になりやすいのは股関節のお腹側の筋肉:腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)

腰痛を予防する正しい歩き方の解説に入る前に、今回、特に注目したい筋肉を見ていきましょう。

 

腰痛で困った時に、腰を押したり伸ばしたりばかりしていませんか?実は、腰が痛い時に押したり伸ばしたりするといい場所は、痛いところ以外にもいくつかあります。それがお腹からお腹側の足の付け根にかけての部分です。

 

股関節の前側「鼠径部(そけいぶ)」と呼ばれるところには、「腸腰筋(ちょうようきん)」という大きな筋肉があります。大腰筋(だいようきん)と腸骨筋(ちょうこつきん)の二つの筋肉の総称になります。大腰筋は腰痛(腰の高さの背骨)のお腹側から始まり、太ももの骨の内側につながっています。また腸骨筋は骨盤の内側から始まり、大腰筋と同じように太ももの骨の内側でつながっています。腸腰筋は縮むことで太ももをお腹に引き付けるので、歩く時には太ももを持ち上げる役割をしています。

 

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『トリガーポイントと筋筋膜療法マニュアル』より”

 

腸腰筋は太ももを上げる時に使う筋肉なので、よく歩く人や、走ることの多いスポーツ選手は疲労の蓄積で腰痛の原因になることが非常に多いです。

 

またこの筋肉は座り姿勢でも凝ってきやすいのが特徴です。腸腰筋はイスに座っている時にはずっと縮みっぱなしになります。そのため長時間のデスクワークの人などは、酷使している意識がなくても知らないうちに血行が悪くなり、筋肉に老廃物が溜まって柔軟性がなくなりがちです。この疲労の蓄積が座り仕事やドライバーのぎっくり腰や慢性腰痛の原因になっていることが非常に多いのです。

 

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腰痛を防ぐ腸腰筋を使った正しい歩き方

腸腰筋は歩く時に「太ももを上げる」という役割があり欠かせない筋肉の一つです。それならば、普段歩いている時に積極的に使って、日常的にケアができるといいですよね。実は腸腰筋を使って歩くと姿勢が良くなり、腰痛も防ぐことができるのです。

 

ポイントは後ろにある足が地面を蹴る瞬間です。この時に足の裏で力任せに地面を蹴るのではなく、鼠径部(足のお腹側の付け根)がしっかりと伸びるのを感じて下さい。そして、逆足は踵に体重を載せて膝を伸ばし、上半身と足が一直線になるように意識して下さい。

 

IMG-1365a_R.jpg

 

そうすると画像のように、自然と骨盤が立って姿勢が良くなります。そして、足が地面を離れる時に地面を意識して蹴らなくても、伸びきった腸腰筋がゴムのように反動で縮んで足が持ち上がります。だから無駄な力を使わずに歩幅を広げられます。この歩き方を実践すると、足腰の疲労が軽減されてどこにも負担がかけることもありません。それでいて、比較的大きな筋肉が連動して効率良く動くので代謝が良くなります。この歩き方を実践し始めると、「身体があったまりやすくなった」と言う人も多いくらいです。ですからダイエットにもおすすめです。

 

少し話がそれましたが、このように腸腰筋の使った正しい歩き方をマスターすれば、デスクワークで腸腰筋が固まってしまっている人も、次第に柔軟性が戻って姿勢がよくなり、慢性腰痛やぎっくり腰の起こりにくい身体に変えることができます。

 

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腸腰筋をうまく使えていない歩き方

身体を支える側の足の膝が曲がってしまうと骨盤が後ろに倒れてしまいます。こうなると足の付け根の腸腰筋を伸ばしきることができません。さらには骨盤が倒れたことで猫背になって首肩のこりの原因にもなってきます。

 

見た目にも猫背になってしまって、いかにも姿勢が悪く人目にもいい印象が残りにくくなります。

 

IMG-1366_R.JPG

 

このような歩き方は一歩一歩進むごとに浅いスクワットをしているようなものなので、疲れやすいだけでなく、ひざの負担となり将来のひざ痛の原因にもなります。それなので、前足は踵を着いたら身体の真下に来るまで膝を伸ばすこと、後ろ足が地面を離れる時は、足の付け根を伸ばすことの2点を普段から意識して、正しい歩き方を身に付けましょう。

 

 

関連記事:実はお尻!?シツコイ腰痛・坐骨神経痛ケアのポイント

 

腸腰筋を使った正しい歩き方で便秘改善

腸腰筋を使って歩けるようになると、更に身体の深部にも良い影響が出てきます。なぜかというと、腸腰筋の周りには太い血管や腸をはじめとしたたくさんの臓器があるからです。

 

腸腰筋が大きく伸びたり縮んだりすると、太い血管にポンプ作用として働き、全身の血行を促します。これにより、身体が温まりやすくなり、冷え性が緩和したり代謝が向上しやすくなります。

 

また、腸腰筋の動きは周りの腸をはじめとした臓器にマッサージ作用として働くので、歩き方を変えただけで、便秘や下痢の改善が見られることがあります。

 

このように足の付け根のお腹側を意識して歩けば、全身に良い効果の連鎖を起こすことができます。

 

 

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まとめ~【腰痛予防】通勤・通学時にできる正しい歩き方

日頃の運動不足を感じていても、日常的に歩いている時間の中で効果的な腰痛のケアを行うことができます。しかし、だからといって、むやみに足に力を入れて大股早歩きをすることは、逆効果になるので気を付けなければなりません。重要なのは、鼠径部にある腸腰筋を意識して大きく使うことです。

 

地面を蹴る時に、腸腰筋をしっかりと伸ばすと反動で筋肉は縮まり、太ももが上がりやすくなります。これには転倒防止の効果もあります。また、腸腰筋の動きが大きくなる事で筋肉の柔軟性が戻って姿勢が良くなるので、腰痛だけでなく、全身の血行の改善効果を期待できます。正しい歩き方ができれば、姿勢も健康的で美しい身体を手に入れることができるのです。

 

たかが「歩く」という動作ですが、正しく身体を動かせているのとそうでないのとでは、毎日のことなので、年月のとともに溜まる身体への影響は、全く変わってきます。間違った歩き方では、少しずつ腰やひざを破壊していってしまいます。ですから正しい歩き方を覚えて、何気ない日常動作から健康財産を積み上げていきましょう。

 

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参考文献~【腰痛予防】通勤・通学時にできる正しい歩き方

『トリガーポイントと筋筋膜療法マニュアル』 著・Dimitorios Kostopoulos・Konstanthine Rizopolos 訳・川喜田健司(医道の日本社)